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2年連続受賞の栄誉には、海の向こうからも関心が寄せられている。
11月25日、プロ野球の今季のMVPが発表され、セ・リーグはヤクルトの村上宗隆、パ・リーグはオリックスの山本由伸が選ばれた。いずれも昨年に続いての選出であり、若くしてシーズン連覇の原動力となり、まさに名実ともに球界を代表する存在に登り詰めている。
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すでに、近い将来のメジャー移籍も噂されるなど、その名前は野球の母国アメリカでも知れ渡っている両選手だが、今回のMVP受賞に関しても大きく現地メディアで報じられているようだ。
米野球サイト『FANSIDED』では、現地11月26日(日本時間27日)に村上、山本のMVP選出のニュースを伝えており、その中で両プレーヤーの今季の活躍に賛辞を贈っている他、今後への期待も述べている。
村上については「セ・リーグ選手では1986年以来、そして22歳というリーグ史上最年少での三冠王に輝いた。日本出身者のシーズン最多の56本塁打も記録したこともあり、ムラカミは1977年のサダハル・オー以来、リーグMVPに満場一致で選出された」と打撃内容を称えている。
そして、山本にはシーズンの実績以外でも多くのコメントを寄せている。「オリックス・バファローズのエースは、193イニングを投げて15勝、防御率1・68、205三振を記録している。これらの数字もさることながら、今シーズン最も印象的だったのは、年間被本塁打がわずか6本だけだったことだ」と今季のパフォーマンスを評している。
さらに「パ・リーグで2年連続のMVPを受賞したことも、もうひとつの伝説となった。1994年から1996年まで3年連続で受賞した不滅の名選手、イチロー・スズキ以来だ。ヤマモトはまだ24歳という若さなので、伝説のイチローに並ぶことができるかもしれない」として来季の受賞の可能性についても言及。加えて「彼はすでにヤンキースからも目が付けられている」と米球団による調査が行われていることも明かしている。
記事では、両選手に対して「2022年の偉業により、メジャーリーグのレーダーは彼らをより明確に捉えた。そして3年連続のMVP獲得も夢ではないだろう」と綴るなど、さらなる飛躍、偉業へ太鼓判を押している。日本球界の至宝とも呼べる若き主役たちは、来季も日米野球界で大いに注目を集める存在となるはずだ。
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選手、指導者としても豊富な経験を積んできた新指揮官の誕生だ。千葉ロッテマリーンズの吉井理人監督の手腕には既に高い関心が寄せられている。
現役時は、近鉄やヤクルトなどNPB球団を渡り歩き、メジャーの舞台でも活躍、実働23シーズンで先発、リリーフ両方で実績を残した。
指導者としてはソフトバンク、日本ハム、千葉ロッテでコーチを務めている。さらに、今シーズンはロッテで新設された「ピッチングコーディネーター」というポストに就き、チーム内でのさまざまな役割を担ってきた。
ファンからの注目を集める理由の一つが、佐々木朗希との繋がりにある。入団1年目より、コーチとして佐々木の育成に携わってきており、初年度には1・2軍での登板をさせなかったことも大きな話題となった。監督に就任し、丹念に育てあげてきた愛弟子である佐々木との師弟関係は「第二章」が始まろうとしている。すでに「中6日ローテ、25登板」という来季の構想も明かしており、「怪物」のさらなる成長を見据えている。
そして、新指揮官は現・日本代表「侍ジャパン」投手コーチも兼任しており、佐々木も来春のワールドベースボールクラシックに主力として出場することが期待されている。3大会振りの優勝を狙う代表チームの中でも、二人の間でどんなコミュニケーションが交わされるのか、想像するだけでプロ野球ファンの胸は膨らむ。
もちろん、レギュラーシーズンでは、今季Bクラスに沈んだ千葉ロッテの立て直しが求められる。チームとして久々となる投手出身監督にとって、佐々木以外でも有望な若手投手の育成の他、チーム打率がリーグ5位に終わった打撃陣の活性化など、巻き返しへ向かうためにやるべきことは多い。
10月18日に行われた就任会見では「プロなので勝たないと意味が無い。目的としては優勝。勝てるようにまず、選手の個性・スタイルをしっかり見て、監督としてチームの勝利に貢献できるよう頑張りたい」と勝つことへの強い意気込みも示している。
選手時代には仰木彬さん、野村克也さん、ボビー・バレンタイン氏といった名立たる名将の下でプレーし、それぞれの選手育成やチーム構築といった野球観を学んでいる。投手としても、強い個性を放っていた吉井理人新監督が、2023年のプロ野球界にどんなうねりを起こすのか大いに楽しみだ。
(佐藤文孝)
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