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阪神・岡田彰布監督が「球界のドン」になる――。
1月16日に東京都内のホテルで開かれた「プロ野球12球団監督会議」。座長として議事進行を務めたが、今やセ・パ最年長の監督だ。
会議で岡田監督が最もこだわったのは、相手選手と首脳陣への挨拶問題だった。とりわけ強く訴えたのは、審判への挨拶をやめるように、ということ。会議の場で審判の代表者に問いただした岡田監督は、
「挨拶してもしなくても判定は一緒って言うてた。そんなん当たり前やんか。それで変わったらおかしいやんか、おーん」
選手が守備位置についてからも丁寧に挨拶する姿を「いいことない」と一刀両断である。特にスタンドのファンの心証を気にしていたが、最後は、
「審判もどう思うって聞いたけど、誰も答えへんかったな」
と、してやったりの顔で落としてみせた。球界OBが苦笑する。
「挨拶うんぬんの話は以前から主張している話で、会議の場で改めて訴える内容でもない。ただ、巨人の原前監督がいなくなって、岡田監督が自分の意見や主義主張を訴えやすくなったのは確か。アピールの場に活用したのがよくわかる」
どんでん監督ならそんなことをせずとも、余裕で発信できると思うのだが…。
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運命を決める10月26日開催の「2023年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」まで、1週間を切った。各球団は指名リストの絞り込み作業を進めているが、今年は過去に例がないほど大学生投手に逸材が集中。巨人は1位指名を直前まで熟考する構えで、水野雄仁スカウト部長が「今年は昨年の(浅野翔吾の入札を公表した)ような発表は全くできない」と明かした。阪神も岡田彰布監督が「(1位指名が)分かってたらおもろないやんか」と、他球団も含めてドラフト1位非公表を提案する心理戦を展開。一方で広島は青山学院大・常広羽也斗の1位指名を公言した。スポーツ紙デスクが情勢を語る。
「各球団ともこの時期、1位指名候補を12人程度に絞っていますが、東都の7投手(東洋大・細野晴希、亜細亜大・草加勝、国学院大・武内夏暉、青山学院大・常広羽也斗と下村海翔、中央大・西舘勇陽、専修大・西舘昂汰)ら好投手が大勢いることで人気が割れ、今年は競合のくじ引きが少なくなるという予想です。一本釣りしやすい環境が整っているので、他球団の動向をニラみながら情報戦の様相を呈していますね」
先の東都7投手に加えて平成国際大の冨士隼斗、桐蔭横浜大・古謝樹、九州共立大の木村仁、星槎道都大の滝田一希、帝京平成大の西本力ら、地方にも好投手が揃う。長年、ドラフト会議を取材するスポーツライターは、こう評する。
「野茂英雄、潮崎哲也、佐々岡真司、与田剛、佐々木主浩、小宮山悟らが指名された1989年に次ぐ、即戦力投手の大豊作年と言われています。2巡目までを即戦力投手の指名で固める球団が多そうですね。ローテーションが埋まり、即戦力投手がそこまで必要のないオリックスあたりは、高校生の前田悠伍投手(大阪桐蔭高)、真鍋慧内野手(広陵高)や社会人の度会隆輝外野手(ENEOS)らを上位で指名する可能性があります」
どのようなドラマが展開されるのか。今から楽しみなのである。
(田中実)
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野球評論家の高木豊氏が自身のYouTubeチャンネルで、阪神の岡田彰布監督や選手たちに取材してきた感想を語っていた。
優勝決定後の阪神に高木氏が直撃したのは、ヤクルト戦が雨天中止となった9月22日の神宮球場。いろんな選手が挨拶に寄ってきてくれたそうで、最初に出てきた選手が坂本誠志郎捕手。
「『お前良いリードするな』って言ったら、梅野(隆太郎)が(レギュラーで)出てたときからずっと見てたって。『俺だったらここでこう投げさせる。ああ、梅野も投げさせた』とか、ずっとベンチに居るときから考えてたんだって。それでマスクを被ったから『意外とリードは楽だったし大丈夫です。ピッチャーも良いんで』って」
と振り返った。
そんな中、岡田監督とは取材時間が終わりそうになってから話せたといい、高木氏が「簡単に決めましたね、優勝」と投げかけると岡田監督は「途中から強なりよったな、こいつら」と返答。最近の指導について「コンプラとかパワハラとかいろいろあるけど、岡田さん気にしてます?」と尋ねると、「言い方とかは変えるときあるけどな。そんなに気にしてへんわ」と答え、
「でもな、この子らに本当に野球の話をしてやるとものすごく聞くわ。聞いて興味を持ってくれる。そういう話をしてきてる指導者があんまりいないんやろうな。それを話すと分かって実践してくれる」
と語っていたという。全体的に阪神の雰囲気の良さが伝わってくる内容だったが、次に控えるCS、日本シリーズを楽しみにしたい。
(鈴木十朗)
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